ブルースとは

ブルース Blues は現在では音楽の1ジャンルです。ブルースの定義は非常に難しい。どこまでブルースか?って議論になっちゃうからです。JAZZの中にもBluesがあるし、五木ひろしの「ブルース~♪」はブルースなのか?淡谷のり子はブルースの女王か?って話になってしまうと吾々の創ろうとしている『播州ブルース』がネーミングからも、年輩の日本人の多くには演歌のようにとられてしまう場合さえあるので難しい・・・。また、よくよく考えてみると演歌はブルースじゃない!とも言い切れんから悩むところです。とにかくブルースの定義についてははっきりとはしていないので後にJMRとして考えるブルースについては記述したいと思います。

ブルースの起源

これまたはっきりしないので申し訳ない。って吾が謝罪することでもないのだが、誰がブルースを発明/発見したか?誰がBluesって名称を使いはじめたか分からんのです。アメリカ南部の大学ではブルース学なるものがあり、ブルース史の授業まであるそうな(一度受けてみたい・・不公平だよなぁ)。今となっては昔のこと、奴隷船で運ばれたアフリカの人々はアメリカの地でそれこそ物として悲惨な扱われ方をしたのです。このあたりのことを多く語ると読者は「差別ゆえの」といった冠をブルースにつけてしまわれると思いますので覚悟のある方だけ連続テレビドラマ『ROOTS』をご覧ください。そうして奴隷として、また小作人として縛られた中での労働(主に綿花畑)の途中、労働のテンポに合わせて口ずさんだ日本でいう「ヨイトマケ」みたいなものがブルースの基になったと考えられています。ってまたはっきりせんのかよって言われそうですが、だって150年前のアフリカンアメリカンがそんなあたり前のことを誰も記録になんかしてないのです。また当時の人がその鼻歌が全世界のPOP音楽の起源になるなんて誰もわからん話ですからね。

「差別ゆえの・・・」をブルースの冠にしない。

奴隷制→差別がブルースに全く関係ないかっていうとそんなことはありません。が現代日本人の吾らからすると「奴隷」「差別」って言葉や事情は重すぎて過剰な解釈をしてしまいます。「人種差別はあってはならないですよ」と前置きした上で、当時はそれが当たり前でローザ=パークス女史が偉業を行うまでは多くのアフリカンアメリカンにとっても同じ扱いを受けることが当然ではなかったわけです。またもっと以前には奴隷であることが当たり前だった訳です。だから「差別ゆえの・・・」を冠につけると吾ら現代日本人からすると小難しく悩んでしまうんです。

Blues=憂鬱って訳すのは良いけれど。

前述のように「奴隷」「差別」なんて重い事象があって Blues=抜け出せない現実の憂鬱な、ブルーな気分なんて訳すと重くなりすぎてしまうんです。実際に唱われていることはどうしようもない現実がバックヤードにあるものの「あのネエちゃんは思い通りになんねぇ」とか「どうしようもねえ女に騙された」とかって内容が多いのでもっと軽く考えてていいんです。どうしようもない抜け出せない現実、貧乏な生活があるんですが、それはそれでその当時のアフリカンアメリカンのコミュニティーの中ではそれが当たり前なんです。戦時中日本は食べ物がなくて・・・って今考えると重いですが、当時は皆そうだったんです。だから「憂鬱」っていっても日常のほんと今そこにある「憂鬱」なんです。差別への反発的な思想ではないのです。

ブルースの黄金律。

誰が考えたか知りませんが(コレを思いついた人はスゲェよな~)ブルースには黄金律とも呼べるお決まりの進行があります。3コードってやつです。とにかく黄金のすごい進行です。人間の耳に必ず美しく?ん~かっこよく?心地よく?とにかく良く聞こえる進行です。

I I I  I
IV   IV   I  I
V IV   I  I(V)

上記の繰り返し

 

シンプルですが血湧き肉踊る、それこそ悪魔に魂でも売らないと得られないようなパターンです。 ただこの黄金律にあてはまらないとブルースじゃないわけではありませんし、この黄金律を使った曲全てがブルースと呼ぶに値するかどうかは疑問です。基本的にJMRが目指す『播州ブルース』の曲の数々もこの黄金律を基本として考えてはいます。

 

悪魔の音楽ではありません。

今は昔、南部でブルースの形が序々に確立されてきたころからブルースを悪魔の音楽と言ったり、ギターやハープに手を染めるものに「悪魔にとりつかれるど~」などと考えた人があったようです。日本にビートルズがやってきたとき「不良の親玉が来た!」みたいになっちゃったのと同んなじことで、おそらく、ブルースに熱狂的に興奮する人や、踊る人、ハマッちゃう人を見て「なんでこいつらはこんなになっちゃうんだ?」っていう人が悪魔のせいにしちゃったんでしょうね。今となっては信じる人もいないでしょうけど害はありません。病気にはなるけどね。

ロバジョンの悪魔との取引伝説。

今や伝説となったブルースマン、ロバート=ジョンソンは夕暮れの四辻(クロスロード)で悪魔と取引きをし、自分の魂と交換に誰にも真似できないようなブルースの力を得たというのです。ロバジョンの師匠でもある古代ブルースの大家サンハウスも、しばらく見ないと思ったら突然帰ってきたロバジョンが別人のような独特の奏法を手に入れていたと語ったということです。おそらくこの話はロバジョンが自らつくった演出です。吾の師である画家も、表現者である以上、自ら演出することが大事で、それをできるヤツはすごい。っておっしゃっていたのを思い出します。よく芸能人が自らと自らの演じる虚像とが、ひとりでにずれていってしまって悩む。ってなことと同じ話です。悪魔伝説はその後もシカゴでのブルース全盛期、ストーンズなどのロックバンドでも演出として使われていきます。吾が社でも演者を含めこうした演出をすることを推奨しています。つまりこのサイトの内容も、いいかげんなもんだってことです。